古民家が、教えてくれること

2015年09月05日

料理と家づくりは同じ

9月4日 金曜日②

昨日の作業中、休憩時間にバナナブレッドをスタッフ2人のおやつに出したのですが、それは、その日の朝、家にあった材料を適当に混ぜて勘で作ったおやつでした。

























「朝、適当に作ったおやつだけど食べてね」って言って出したら、2人は「適当に、あるもののくみあわせでこんなのが出来ちゃうんですね!」と言ってくれました。


私は、工事の現場でお手伝いさせてもらいながら、料理と家づくりはすごく似ているな、と感じています。

土を振るう、消石灰を混ぜる、などなど。ミキサーにかけるのは、料理と同じよう。


本来、家は、身近な材料を使って、人の知恵をプラスして、いかに心地よい暮らしを実現するか?というものなんだということ。

身近な土と、木と、石。
それ以外に、他の場所から調達してくるものもあります。

一方料理は、今の季節にとれる、地元の土で育った野菜を使って、人の知恵をプラスして、美味しいものを作ってみんなで楽しむ。

素材組み合わせ、調理法を考える。
調味料はミニマムに。


米、豆、野菜、海藻、キノコ。
調味料は他の場所から調達してきてるものも。

身近な材料を組み合わせて何かを作るには、なんと言っても経験が大事。本を見て分かるものじゃない。

今回の改修で使っている荒壁土は、解体のときに荒壁に使われてた材料を保管しておいたものを練り直したものと新しく追加した材料のミックス。昔の素材の再利用です。

崩した荒壁、再利用します。

筒井さん曰く、今回再利用している昔の荒壁には、大量の藁が入ってる。土の粘度が低いから、藁を多くすき込んで強度を出さなくてはならなかったのだろうね、と。

そうなんです。

この辺りの土は、粘度が低くて、数年前に高速道路を作る時にも、他から土を運んだと聞いています。

家づくりに使うにも、何かしら工夫を凝らさないと強度を出せなかったのでしょう。

藁がこんなに入っていたら塗りにくかったでしょうに。

今回は、材料を練る時に「屋根土(※ 後ほど解説)」というのを追加で入れて練っています。10袋ほど追加投入したとのこと。

ワークショップの時に
「粘度がちょうど良くて塗りやすいね〜」と思っていたのですが、やはりちゃんと塗りやすいように、強度が保てるように、調整してくれてたのです。

そこにある材料を見て、何をどれぐらい追加したらよいかを判断して、求めている状態を創りだす。

これ、まさに私が料理する時にやってることと同じです。

その日の材料を見て、何をどんな味付けで作りたいかを判断し、調理法と調味料を使って、最終的に美味しいものを作る。

私が、自分の料理教室でレシピを配れないのは、まず素材見て出来上がりの味を描き、自分で見て、触って、食べて、どんな調理法が良いか、どんな調味料が必要か、それを自分で判断できるようにならなければ、自分が美味しい!と思える料理をできるようにならないから。

ある程度の目安としてのレシピは必要でしょう。そうでないと、初めの一歩が踏み出せない。

でも、いつまでもレシピを見て料理してると、自分の感覚が使えなくなると思います。だから、料理の本は、本来の意味で料理できる人を減らしてるのではないかな。

基礎的な知識と、自分で磨いた感覚。本をみて真似するところからはじめ、いつかの段階で本を片隅に置くことにする。それが大事だと思います。

家づくりの話にもどって。

私にとって家づくりをお手伝いさせていただけるのは、今まで料理という範囲でやってきたことを、もっと自然そのものを感じながら&大きな規模で実践出来るという楽しみなんだと感じています。

素材が、土や木、石、という自然の大地そのものになり、

道具はレードルやボウルやフライパンから、スコップやミキサーや鏝になって。ユンボも運転出来るようになったし(笑)

自分が、自分で設定してしまっていた創造性のリミットを壊すことが出来てる気がしています。

子どものころ、

女の子だから、
危ないから、
迷惑になるからやめなさい、と言われてたこと。

それを全部出来てる気がしてます。

素人の私が工事に参加させてもらえて、多くのことを感じ、学んでいます。一緒に作業させてくれる、筒井さんはじめ光風林のスタッフの皆さんに感謝してます。

私が味わわせていただいてるこんな素敵で楽しい経験を、ワークショップや、その他いろんな機会を通じて多くの人と共有出来たら嬉しいです。

さて、作業してきます。

※屋根土とは、荒木田土と、最高級粘度、麻づたなどを混ぜたもので、瓦葺きの屋根に使われていたもの。屋根用、左官仕事用、壁用などの用途に使うそうです。









healthytastyandwise at 07:35|PermalinkComments(0)

2015年06月26日

煤(すす)払い

6月26日金曜日


今日は煤払い。


天井裏に登っての作業。



数十年間?100年越え??の煤の量は
半端ないので、ゴーグル、マスク、頭にもほっかむり。



スコップで煤を集め、土嚢袋に入れて。


今日のところは20袋。



こうして手入れしてあげると、古民家がイキイキしてくる
感じがします。


一緒に作業した3人とも、煤だらけ。

susu1










susu2


















susu3



healthytastyandwise at 00:18|PermalinkComments(0)

2015年06月25日

水平になったら、次は垂直をとる。

6月25日木曜日


今日は、鳶さんによる曳家の作業の続き。



天井の板を外して、ワイヤーで引っ張ることで、
柱を垂直に立て直します。

hikiya1









北側の天井を一部壊し、柱にワイヤーを
括り付ける。そして、南側の柱と引っ張り合う。


hikiya2









向い大黒の北と南を引っ張る。


hikiya3

















家の中でワイヤーで引っ張ると同時に、
外から押し付けます。

単純な作業に見えるけど、引っ張り具合を
調節しながら行うことで、少しねじれている
家の癖までも調整していくのです。



healthytastyandwise at 00:24|PermalinkComments(0)

2015年06月16日

≪2015年6月11日(木)≫家を水平・垂直にする

≪2015年6月11日(木)≫
千葉県山武の業者さんによる作業開始。

古民家の水平、垂直を出すための作業。

image












image














現在、芳泉茶寮の建物は、現在土台の沈みや、歪みがあります。

それを直すための作業をまず行います。

160年、重いこの建物を支えているのだものね。
途中、修復したあとも見られるようです。


日本には伝統の"曳家"という技術があり、
その方法によって家を"上げ"て、土台の修復作業などを行います。


曳家については【社団法人 日本曳家協会】
http://www.nihon-hikiya.or.jp/chinka.html


建物自体を、数メートルあげて土台を補修することも
ありますが、今回芳泉茶寮ではここまでの本格的な
揚屋はしません。


沈んでいるところを上げて、土台となる部分を修復していく
方法をとります。



healthytastyandwise at 14:10|PermalinkComments(0)

2015年06月09日

改修、キックオフ

image


2015年6月、千葉県長生郡長南町にある古民家
”芳泉茶寮(ほうせんさりょう)”の改修がスタートしました。

自然との調和を大切に、先人の知恵を読み解き敬いつつ、
再生を目指すプロセスを多くの方とシェアしたいと思っています。

ワークショップなども随時開催していきますので、
古民家再生を一緒に行っていきましょう!


healthytastyandwise at 12:16|PermalinkComments(0)
ギャラリー
  • キッチンの進捗
  • キッチンの進捗
  • キッチンの進捗
  • 中国茶茶房を作る
  • 中国茶茶房を作る
  • スリランカより帰国しました!
  • ワークショップ参加者募集中!
  • 古民家の断熱材
  • 民家協会の見学会を実施しました。